執着と独占欲と
「新しい家族が出来ました。元気な男の子です。」
結局それは冗談だったんだけれど、
いつか本当に、そういう日が来る。
その時、自分は何を思うんだろう。
漫画私の少年を読んで、昔の感情が蘇ってくる。
今まで何人も人を好きになってきたけれど、
どの思い出も、今となっては色あせてしまったように思えた。
初体験のあの子を、思い出す。
当時は好きじゃなかった。
相手が好いてくれたことに甘えて、
付き合うこともなく
短い冬を過ごした。
今、あの頃よりも恋愛が上手くなって。
抱いた女性の数も増えた。
連絡一本入れるだけで喜んでくれる人もいる。
彼女もいる。
けど今でも、そうした女性の好意に甘えていて
去っていく瞬間が、一番寂しくて。
本当に狡いのはわかってるけど
自分だけを、いつまでも認めて欲しい。
そんなのは自分勝手の独占欲だなと、自分で思う。
人の気持ちは永遠ではないから。
その瞬間を、大事にしなくちゃいけない。
だけどなぜなんだろう。
今でも、失うことでしか気付けないのは。
素直に祝える大人でありたい。
けどこの執着心は、
どこまで行っても子供のままな気もする。