新しい音楽を、好きになるということ。(と、そのコツ。)

「人は33歳を迎えると新しい音楽に興味を持たなくなる」
という研究結果があるらしい。

 

周りの大人を見ていると、
たしかにそういう人が多いなと思う。

 

「最近の曲も、なんとなく知ってはいるんだけど、
 実際聴くのは昔カセットが擦り切れるくらい聴いた曲。」
そんな人が多いんじゃないだろうか。

 


ぼくは、そういう音楽の聴き方があってもいいと思う。

 

じぶんが見つけたお気に入りの一曲を、
宝物のように、生涯大切にし続ける。
そんな音楽との付き合い方だって、素敵だ。

 


でも。
それと同じくらい、
新しい音楽との出会いは素敵だな、と思う。
本当に、素晴らしいと思う。

 


問題は、
そうは思いつつも、
「自分から新しい音楽を遠ざけてしまっていることがある」
ということだ。

 


これは年齢に限った話じゃない。
ぼくは20代だけれど、そういう側面がある。

 

よく知りもしないくせに、
ほとんど一方的としか言いようが無い先入観で、
嫌煙する。耳を閉ざす。

 

例えば、
「ミーハーが聴いてそうだから嫌だ」
「みんなが勧めるから素直に認めたくない」
「名前が微妙」
「見た目が苦手」
こんな具合に。

 

意外とこういう人は多いんじゃないだろうか。

 


そして、もっと厄介なことに、
食生活や、人間関係や、仕事なんかでも、
同じような傾向があるんじゃないだろうか。

 

そんなくだらない思い込みで、
人生の味わいを減らしてしまっているのだとしたら、
本当に勿体無いなぁと、じぶんで思った。

 

 


今日、星野源というアーティストの曲を、
初めてちゃんと聴いた。

 

持っていたイメージは、さっき挙げたようなものだ。

 

仲の良い女の子が勧めてくれたのに、
そのことによって、返って聴くことから遠ざかっていた。

 


正直に言うと、
聴き始めてからも「やっぱ合わないな」と思っていた。
なんか歌詞が稚拙な感じがするし、
バンドマンっぽい声も好きじゃない。

 


だけど一曲、
「ん?これいいかも…?」っていう曲を見つけて、
それを繰り返し聴いていたら…

 

…好きになった。

 

なんだこれ。
いいじゃん、いいじゃん。星野源

 

こうなると、はやい。
声が、リズムが、音作りが馴染んで、
どんどん良いところが見えてくる。

 

ファルセットの綺麗さとか、
間の取り方とか、
Bメロからサビへの雰囲気の作り込みとか…。

 


たぶん、そんなものなんだと思う。

 


自分が苦手意識を持ってることとか、
きらいなものとか、
好きになれない人とかも、全部。

 

自分で勝手に先入観持って、
よく知らない、慣れていない、向き合ってない。
その状態で止まっていることがほとんどなんじゃないかな。
そう思った。

 


そんな時には、
アルバムから一曲でも気になる曲を見つけて、聴きこめばいい。
出来そうな分野から始めて、そこだけはマスターすればいい。
相手と共通の趣味や関心を見つけて、その話題だけ話せばいい。

 

そうして慣れることで初めて、
ほんとうの魅力が見えるようになる。

 

評価するのは、それからでも遅くないんじゃないか。

 


こうした作業は、エネルギーが沢山必要だ。
慣れていないものと接するのは、本当に疲れる。

 

でもその先に待っているものが、
素晴らしいからこそ、豊かだからこそ、
その分エネルギーが必要なのだと思いたい。

 


いくつになっても、それは忘れないようにしたい。

 


…もう一回聴こ。